「むくみ(浮腫)」とは、皮膚や皮下組織に余分な水分(体液)がたまった状態を指します。

 

顔のむくみも同じく、血液やリンパの流れが滞ることで体液が局所にたまり、膨らんだように見える現象です。

実は、健康な方でも日常のちょっとしたことで顔はむくみます。

 

大切なのは、そのむくみが一時的なものか、何らかの病気のサインかを見極めることです。

「浮腫は、毛細血管の透過性や血漿の浸透圧、リンパの流れなどが影響して発生する。」
出典:A. Goyal, Peripheral Edema, StatPearls(2023年)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK554452/

 

 

日常で起こる“むくみ”の主な原因

睡眠中の姿勢
朝起きて鏡を見たら「なんだか顔がパンパン…」という経験はありませんか?長時間仰向けで寝ていると、重力の影響で水分が顔周辺にたまりやすくなります。枕が低すぎる場合も同じです。

塩分や飲酒
焼き肉やラーメンのしょっぱいスープ、夜の一杯…おいしいけれど、その翌朝は顔がむくんでいることも。ナトリウムやアルコールは体内に水分を引き込みやすく、結果として顔が膨らんで見える原因になります。

ホルモン変動
特に女性は月経前や妊娠中など、ホルモンの影響で水分を抱え込みやすくなります。「最近むくみやすいな…」と思ったら、周期や体調も一緒に振り返ってみてください。

アレルギー・鼻炎
花粉症の時期や風邪で鼻が詰まると、顔の血流やリンパの流れが悪くなります。朝だけでなく日中も顔が重だるく感じることがあるのは、このためです。

 

  

病気が原因のケース

甲状腺機能低下症
むくみが長引き、しかも疲れやすさや寒がり、体重増加などがある場合は要注意。甲状腺ホルモンの不足が「粘液水腫」という特徴的なむくみを引き起こします。

腎・心・肝疾患
全身がむくむ中で、顔にも症状が現れるケースです。足や手のむくみも一緒に出ていないか確認しましょう。

副鼻腔炎
頬やまぶたが腫れ、鼻づまりや頭の重さも感じる場合は、副鼻腔炎の可能性があります。放置すると慢性化するので早めの受診がおすすめです。

血管性浮腫
急に顔や唇、まぶたが腫れ、呼吸までしづらくなることも。これは救急レベルの症状です。

「顔の腫れは、アレルギーや感染症などのサインであり、重症化すると命に関わることがある。」
出典:Cleveland Clinic “Facial Swelling: Causes & Treatment”(最終更新 2024-08-15)
https://my.clevelandclinic.org/health/symptoms/facial-swelling

 

 

セルフケアのポイント

枕の高さや寝姿勢を見直す
高さを変えるだけでも翌朝のスッキリ感が違います。抱き枕で横向き寝を試すのもおすすめです。

塩分・アルコールの摂取を控える
完全にゼロは難しくても、「寝る前は控える」というだけで改善する方も多いです。

朝の軽いストレッチや顔〜鎖骨へのリンパ流し
洗顔後や着替えのついでに。ほんの1〜2分でも続ければ習慣になります。

鼻炎や花粉症のコントロール
鼻が通るだけで顔の重さが軽くなり、見た目のむくみ感も減ります。

 

 

まとめ

顔のむくみは、生活のクセや一時的な体調の変化でも起こりますが、時には病気のサインになることもあります。

「いつから」「どんな時に」「どれくらい」むくむのかを意識して観察するだけで、原因に近づけます。

軽いむくみは生活習慣の見直しで改善できますが、不安な症状があれば早めに専門家へ相談しましょう。